丁寧な対話を通じて、社員の気持ちや状況を理解できる会社を目指して
こんにちは、アークエッジ代表取締役の林です。
2024年の年頭あいさつで『失敗や停滞も楽しんで、前に』というコラムを書かせて頂きました。
実は、「失敗」だけでなく「停滞」という言葉も入れたのには、それなりの思いがあります。
人が今よりも成長したいと思い、挑戦していく時に当然、失敗することがあると思いますがそれだけでなく、行き詰まり停滞してしまうこともあります。
私の個人的な感覚では、頑張った先に、分かり易く失敗という結果が見える時よりも自分なりに頑張っているのに、行き詰まり、同じ場所で足踏みして停滞しているような感覚に陥ってしまうことの方が、はるかに多い気がします。
また、採用活動などを通じて、様々な方とお話しする機会がありますが仕事で行き詰まったり停滞しているのを感じて、悩んだり苦しんだりしてきた方が多くいらっしゃるように思います。
私は、これまでの自分自身の経験を踏まえ、挑戦や頑張ることと、行き詰まり・停滞はコインの表裏のような関係であることを知り、行き詰まりや停滞を乗り越えていくには、会社がしっかりとその悩みを持つ本人の話に耳を傾け、対話することが何よりも大切だと実感しました。
私は、30代半ばの頃、営業チームの責任者として仕事をしている時期に自分のミッションを理解し、期待される役割を全うしようと自分なりに頑張るものの、思うような結果が出せず、力不足を感じる日々が続いたことがありました。
ぶ厚い壁が立ちはだかり、どうあがいても前に進めない。
行き詰まりや停滞感を感じ、何とかしなくてはと思えば思うほど焦りも出てくる。
そんな時期が数ヶ月から1年くらいは続いた気がします。
苦しくて、気持ちもかなり追い込まれていたのでしょう。いい年をした大人ですが、感情が不安定になり午前中の会議室で涙を流したこともあります。
「あの時って、どうやって乗り越えることができたんだろう?」と考える時がありますが、具体的にこんなアクションをして乗り越えた、と明確に語れるものはありません。
ただ、当時の上司がよく話を聞いてくれました。
自分の焦りや苦しさを、素直に吐き出せる機会を上司が作ってくれたことでそうした時期を何とか乗り切ることができたと思います。
日々仕事を頑張っていると、すいすいと順調にステップアップしていくということはなく、成長していくプロセスの途中に、行き詰まり停滞する時期があります。
しかも、それは数ヶ月続いたり、長いと1年以上続くかもしれません。
こうした時期を乗り切れると、悩んでいた行き詰まり感や停滞感が嘘のように消え去り気付けば、これまで自分がいた場所とは全く違う高みに登っている。
人が成長していくということは、こういうことなのかもしれません。
そうだとすると、仕事人生の中のそれなりの時間を、行き詰まり停滞感を感じながらもがいて過ごすことになりますが、そうした時期に悩んだり苦しんだり、もやもやしている気持ちを吐き出せる場が会社の中にないと、自分は孤独だと感じ、頑張ろうという気持ちも次第に削られていってしまいます。
会社がメンバーの成長を支えたいと願うのであれば、こうした時期を会社が上司がどのように支えていくのかを真摯に考えるべきだと思います。
以前読んだ本に、人は孤独のなかでは生きられないように作られている、孤独は貧困以上に人にとって辛く感じることだ、と述べられていましたが、本当にその通りかもしれないと思います。
仕事をしていく上で、行き詰ったり悩んだりする時期は必ず訪れるので、そのような時に、対話の場を設けてしっかりとメンバーの状況や感じていることを受けとめ、メンバーが孤独感に苛まれることがないように、会社が努力する必要があります。
私たちアークエッジも、メンバーと真剣に向き合い、メンバーの話にしっかりと耳を傾け対話することを、何よりも大切にしていく会社でありたいと思います。
そういう会社こそが、メンバーが仕事の行き詰まりや停滞を乗り越え、本人が一段高いステージへと成長していくことを支えることができ、結果として、メンバーも会社も豊かな成長を実現していくことができるのではないでしょうか。